☆★☆Laurence Loh Kwong Yu(ローレンス・ロー・クウォン・ユー)☆★☆

1974年ロンドンAAスクール卒業。73-74年ローインパクト・テクノロジー(イギリス)、74-76年アーキテクツ・チーム3(ペナン)、78-80年 S.B.チェア&ラカン(ペナン)、83年事務所設立。91・93年PAM建築賞受賞


「現代建築において、地域性を重視した批判的なボキャプラリーと、地域の文化や特性に直接結びついたバナキュラーな様式を探求する」
と語るローレンス・ローは、1983年以来ペナンにおいて個人で設計事務所を営んできた。彼の事務所は様々な種類のプロジェクトを手掛けているが、 他の建築家と異なる点として、建築の保存に得に力を入れている事があげられる。
代表的なプロジェクトが、ペナン中央に所在する「チェオング・ファット・ツェ・マンション」の補修工事である。

★Cheong Fatt Tze Mansion,Penang1995

★Cheong Fatt Tze Mansion,Penang1995/屋根部分

  この大きなマンションは、1880年代に、広東省からの裕福な中国商人が、3000年も前の周王朝時代からの伝統的な中国様式に従って建てたものである。
建物そのものの様式は中国式であるが、装飾的な要素には、植民地時代のイギリスなど西洋の影響が色濃く見られ、この建築は、ペナンやシンガポールを 始めとするマレーシア半島の各地の典型である、西洋と東洋が混合して生まれた”海峡中国”文化と称される独自の様式に分類されている。

New 3-story Sports Hall to Chinese Recreation Club,Penang1994

New 5-story Extention to Penang Swimming Club,Penang1995

一方「チャイニーズ・レクリエーション・クラブ」という計画では、伝統的な建築物に新たな建物を隣接させるという試みがされている。
ローによると、急速に発展する国では、保存の必要性を重要視する必要がある。最新の技術やノウハウだけでは、開発を行う事ができない。 つまり、将来を形作り、国のアイデンティティを確立するためには歴史が不可欠なのである。伝統的な建築技術の保存及び改良を行う事こそが、 それぞれの土地の需要に対応できる技術の開発のきっかけとなるのである。保存プログラムを通して地域の建築活動に影響を与えることにより、 単なる様式を超えた批判的なバナキュラー建築を生み出す事ができるであろう。
(写真及び文章、世界の建築家581人-ギャラリー間-)